こんにちは、ryo(リョウ)です。
このブログでは、元・中の人だからわかる「役所の裏話」や「役所の活用術」などを書いています。
公務員の中途採用には「就職氷河期世代採用」と「社会人採用・経験者採用」の2種類の受験区分が設けられている場合があります。
応募要項を2種類比較して「で、何が違う?」「自分はどっち?」となる気持ち、よくわかります。だって、応募要項もザ・お役所の書類ですから。
今回の記事は、「就職氷河期世代採用」と「社会人採用・経験者採用」の2種類の違いが掴んでいただけるように書きました。
それではどうぞ。
なお、すでに分かっている方で受験予定の方には、以下の記事で試験の基礎知識について解説しています。
※自治体などにより「社会人採用」「経験者採用」など表現に違いがあります。このブログでは経験者採用と表現します。
公務員を目指す方々の中には、「就職氷河期世代採用」と「経験者採用」の違いについて疑問を持つ方も多いでしょう。これらの採用区分は、対象者や試験内容、給与体系などにおいて異なる点があります。
地域や職種によって異なることも多いため受験先の情報収集が必要ですが、本記事では、それぞれの特徴や違いについて把握できるよう解説します。
定義
就職氷河期世代採用とは
就職氷河期世代採用は、バブル崩壊後の厳しい就職環境で正規雇用の機会に恵まれなかった世代を対象とした特別な採用枠です。
具体的には、1990年代から2000年代初頭に就職活動を行った方々が該当します。この採用枠は、社会的な支援の一環として設けられており、受験資格や試験内容が一般の採用試験とは異なる場合があります。
経験者採用とは
一方、経験者採用は、民間企業や他の組織での職務経験を持つ人材を対象とした採用枠です。
即戦力としての活躍が期待されるため、特定の職務経験やスキルが求められることが多いです。受験資格として、一定年数の職務経験が必要とされる場合が一般的です。
なお、スキルと言えるものが無くても、しっかり対策をすることで合格可能です(僕です)。合格する人の特徴について詳しくは、以下の記事で解説しています。
受験資格の違い
就職氷河期世代採用の受験資格
対象となる年齢層や雇用形態に関する条件が設定されていることがあります。
具体的には、2024(令和6)年度における国家公務員中途採用者選考試験では1966(昭和41)年4月2日~1986(昭和61)年4月1日生まれとされていました。
また、自治体などでは、申込開始日時点で正規雇用労働者として雇用されていないことが条件とされる場合があります。
経験者採用の受験資格
一定の職務経験年数が設けられていることが一般的です。
例えば、「民間企業等における職務経験年数○年以上」と通算での就業経験年数を満たすことが必要で、何年以上の経験が必要かは、学歴や採用される役職によります。
試験内容の違い
両者の採用試験では、試験科目や評価基準に違いがあります。
就職氷河期世代採用では、一般的な教養試験や適性検査が中心となる場合が多いです。職歴が少ないことが不利にならないよう配慮されているため、受験者は平等に評価されることが強調される傾向があります。
一方、経験者採用では、職務経験や専門知識を評価する小論文試験や面接が重視される傾向があります。
ただし、自治体や募集要項によって異なるため、詳細は各自治体の受験案内を確認することが重要です。
僕は転職を考え始めたときに、転職サイトや資格試験、お金についても考えました。そういうタイミングでもあると思います。
採用後の違い
給与体系の違い
就職氷河期世代採用の給与体系
就職氷河期世代採用では、初任給は20万円程度からスタートすることが多いです。また、職歴加算が適用されない場合や、適用されても加算率が異なる場合があります。
その外、職歴が少ない場合でも、応募者の年齢や職歴に応じた加算を行っている自治体もあります。
職歴加算とは?
初任給に加算されます。経験年数を職務内容に応じて「職歴として加算」するものです。
例えば、接客業に従事していた経験1年×0.8年、事務職1年×1.0年……などの計算で初任給にプラスされるものです。国家公務員や関東圏の地方自治体では職務内容に応じて0.8~1.0の加算率を適用、としていることが多いです。
経験者採用の給与体系
経験者採用は、応募者の職務経験に基づいて給与が決定されるため、初任給自体も一般的に高い場合が多いです。また、初任給に加えて職務経験に応じた職歴加算が行われることが多いです。
昇給や昇進の機会
就職氷河期世代採用の昇給・昇進
昇給や昇進の機会も当然可能ですが、初任給の設定が異なるため、長期的な給与の伸び方に違いが出ます。
また、係員級の一番低い級で採用されることがほとんどのため、主任級や係長級への昇進試験を受験することが可能になるまでに採用後3~5年以上かかる場合もあります。
経験者採用の昇給・昇進
採用区分にもよりますが、「即戦力」を求めた採用であることから、採用時点ですでに主任級や係長級の役職の場合もあります。
そのため、その後、管理職を目指す場合も、数年で管理職試験の受験対象になることが多いです。
どちらを受験すべき?
どちらも対象になる人もいるかと思います。
もし併願OKの場合で、どちらの給与でも構わない場合または今年しか受験できない場合は、両方受験することがオススメです。
併願NGの場合は、今の給与と比較して、どちらにするのか検討するのが良いと思います。
もしも僕が、両方対象だった場合は、給与が高い経験者採用を受験します。そして、もしも不採用だった場合は次年度も受験します。
なぜなら、管理職より下の役職の場合は、役職による職責よりも年齢で判断されることがあるためです。例えば、「年齢の高いほうが上司かな?」と思ったことはありませんか?
同じような業務を行うなら、給与が高いほうが良い、と僕は考えます。
ただし、氷河期世代採用の条件にもよります(翌年度から試験受験可能、の場合や職歴加算がしっかり付くのであれば併願or倍率の低いほうかなぁ)
※あくまで、僕の場合です。
まとめ
公務員の就職氷河期世代採用と経験者採用は、対象者や試験内容、給与体系などにおいてさまざまな違いがあります。自身の経歴や状況に応じて、どの採用枠が適しているかを検討し、各自治体の受験案内を確認することが重要です。
また、試験対策や情報収集を十分に行い、万全の準備を整えて臨みましょう。
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