こんにちは、ryo(リョウ)です。
このブログでは、元・中の人だからわかる「役所の裏話」や「役所の活用術」などを書いています。
今回の記事は、知っているようで知らない役所の仕事についてです。
僕は、実際に働くまでは図書館と住民票を受け取るくらいしか接点がありませんでした。働いていたからこそわかる魅力をお伝えしたいと思います。さらに、辞めた今でも役立っていることもあります。
読んだら、あなたも役所で働きたくなるかも?
ちなみに、実際に転職した後で「後悔した」という人もいます。後悔する理由は以下の記事で解説しています。
それでは役所の仕事や魅力について、どうぞ。
※元・中の人目線で、「働く人の立場」として書いています。
市役所・区役所は地域住民に密接に関わる行政機関であり、多岐にわたる業務を担っています。この記事では、市役所・区役所で働く公務員の仕事内容やその魅力、さらに働くためのポイントについて詳しく解説します。
市役所・区役所とはどんな場所か
都道府県も市町村も特別区も地方自治法で定められた地方公共団体です。
その内、市町村と特別区は「基礎自治体」と言われます。「基礎」と言われるとおり、市区町村は地域の行政サービスを提供する役割を担っています。
住民票の発行や税金の手続き、福祉サービスの提供など、生活に直結した業務が中心です。市役所・区役所は「地域の窓口」として、住民と行政を結ぶ役割を担っています。
※特別区(東京都23区)とは、都のみに置かれる特別地方公共団体です。都が処理する業務(水道や都税など)以外の部分では市の業務に近いです。首長(区長)も選挙で決められます。なお、東京都では区市町村(くしちょうそん)といいます。
僕のブログでは、言いやすい市区町村と表記しています。
役所の仕事内容
市役所・区役所での公務員の仕事は、多岐にわたります。主な業務を以下にまとめました。
- 住民票や戸籍の管理
住民票の発行、転入・転出届の受付、戸籍の登録や証明書発行など、住民情報の管理業務を行います。繁忙期には人があふれています。役所的にもお待たせしたくない(怒鳴られますし)と本気で思っています。 - 税金の手続き
住民税や固定資産税の計算や通知、納税相談などの業務があります。「税金貰って生活してるくせに」と最も言われる部署です。いや~当然ですが、税金対策を会社員より封じられているため、むしろしっかり納税させられています。
チームワークが良く知識も得られるため、意外と人気のある部署です。 - 福祉サービスの提供
高齢者や障がい者への福祉支援、生活保護の相談、子育て支援など、地域住民の福祉を向上させるためのサービスを提供します。
自分の生活に直接的に生きる知識が盛りだくさんですが、生きるって何だろう、という壮大なテーマにぶち当たります。 - 地域振興
地域の活性化や観光振興、イベントの企画・運営など、地域の魅力を高めるための取り組みを行います。地域住民との直接的な関わりが多く、コミュニティの一員としての意識を持ちながら働くことができます。
達成感が得られる業務の多い部署だと思います。 - 文化・スポーツ振興
地域の文化やスポーツ活動を支援し、住民の健康やコミュニティの活性化を図ります。これには、文化イベントの開催やスポーツ施設の管理、地域の伝統文化の保存などが含まれます。
イベント運営も多いため、所属していなくても手伝いに駆り出されることがあります。 - 環境保護
廃棄物処理やリサイクルの推進、騒音やごみ屋敷問題の対処など、地域の環境を守るための施策を実施します。
複数の事務所・出張所を持っていたり、そもそも部署が別の建物になっていたりすることが多いです。 - 防災業務
自然災害に対する備えや対応を行い、地域住民の安全を確保します。具体的には、避難所の設置や防災訓練の実施、災害時の情報提供などが含まれます。
起震車の貸し出しをしたりもしていて、僕も一度体験したいと思っていましたが、機会のないまま役所とサヨナラしてしまいました。 - まちづくり
市区町村道、公園、緑地などの管理を行っています。
建築や土木系技術職員の職場ですが、事務職員も多く所属しています。長期間の計画を立て、地域を作る業務に対し誇らしいと感じている職員は多いです。 - 管理部門
財政課、政策課、人事課などです。
組織内部に関する業務を行っています。組織内では目立つため、管理職希望者が異動希望を出すことも多い部署です。ただし、管理部門だけに所属していた人は管理職になってから、本来の役所業務を知らな過ぎて苦労するイメージがあります。 - 委員会
教育委員会や選挙管理委員会などです。
役所内に設置されていますが独立した組織です。これらに異動するときは、「人事異動」ではなく「出向」扱いになります。もちろん、給与は一緒です。
僕の、異動したくない部署でもありました。まあ、今となっては懐かしさかありません。
僕は民間企業出身なので、「管理部門は組織階層の上」だと思っていました。が、役所では、管理部門の職員は優秀……ではありません。
もちろん、頭のキレる・出来る人が集められがちではありますが、どの部署にも人事がキーパーソンを設置する感があります。
役所の仕事の魅力
公務員として役所で働く魅力は、以下のようなものがあります。(僕目線)
様々なスキルが身につく
僕は、この1点だけで役所の公務員経験は価値があったと思っています。
多岐にわたる業務を通じて、行政手続きの知識が身に着けようと思わなくても確実に身に付きます。
資格取得に有利
宅地建物取引士(宅建)、ファイナンシャルプランナー(FP)を取得する人は多いです。
また社会保険労務士(社労士)に合格する人も知っているだけで年1,2人は発生します。仕事外でも当然勉強していると思うので、本当に尊敬します。
最も取得する人が多いのは行政書士だと思います。法律に則って書類作成をはじめとした行政事務に携わるため、試験勉強を始めた時に問題のイメージが湧きやすい、というのが理由です。特任制度(行政事務を担当した期間が通算して17年~20年以上だと試験が免除される)もあります。
他にも業務内容が国家試験の内容です、という職場は多くあります。
実生活の役に立つ
役所に書類提出しなくちゃならない、なんて面倒ですよね。
でも、2~3年ほど働いたころから、所属したことのない部署の書類でも分かるようになってきます。役所と関わるときは人生の転機であることも多いので、親族内で冠婚葬祭があると、僕はとっても有難がられます(いいように利用されているともいうけれど)。
また将来、高齢者になったときや介護がひつようになったとき、どうしようと「漠然と不安」になったことがありません。沢山の人の人勢を垣間見てきているからだと思います。
安定した雇用環境
これに尽きる、という人もいるでしょう。また、転職を考えている人にとって安定した雇用や福利厚生は最大の魅力だと思います。僕も、「安定」という言葉にグッときて就職しました。
安定しているからこそ、長期的なキャリア形成が魅力でもあります。
給与の実態については、別記事で書こうと思っています。
地域に密着した仕事
僕はこの点について、残念ながらあまり魅力に思ったことがありません。
関東圏で公務員になる!という目的だけで受験しまくったからです。
ただし、生まれ育った自治体に就職する人がとても多いことから、住民と直接関わりながら地域社会の発展に直接貢献できることは仕事のやりがいとして大きいのだろうと思います。
役所で働くためには
市役所・区役所で働くためには、試験に合格する必要があります。以下の記事も参考にしてください。
役所で働く上での課題
毎日働いているので、当然、魅力だけではなく、次のような割り切らなくてはいけない課題もあります。
- 繁忙期の業務負担
住民税の申告時期や春の転入・転出シーズンなどは業務量が増加します。 - 多様な住民ニーズへの対応
高齢者や外国人など、多様な背景を持つ住民への対応が必要です。 - 定型業務の多さ
手続きや書類業務が中心になるため、変化の少ない業務にストレスを感じる人もいます。
転職を考えている人は、こちらもぜひ見ていただきたいです。
役所で公務員として働くということ
役所の仕事は、住民生活に直結した責任ある業務を通じて、地域社会に貢献できる魅力があります。
また、業務が試験勉強に役立ったり、直接的に生活に役立つ知識が得られることも多いです。もちろん、「仕事」ですからきれいごとだけでは済まないことも多くありますが、僕は役所で働いてよかったと思っています。
公務員になりたいかも、という方は是非、自分の目標を明確にして、しっかりと働く場所を調べてから挑戦してください!応援しています。
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