こんにちは、ryo(リョウ)です。
このブログでは、元・中の人だからわかる「役所の裏話」や「役所の活用術」などを書いています。
小論文って言われても、ピンとこなかったり、そもそも何について書くのかがわからなかったりしますよね。僕も「試験で出された問いに答えるんでしょ?」と思っていたので、一切の武装無しで試験に挑むところでした。
試験会場で出題されて各パターンの他に、履歴書・職務経歴書と同時に小論文を事前提出させる省庁や自治体もあります。対策はほぼ一緒ですが、一部違いも!
なお、試験に関する基礎知識について詳しくは、以下の記事で解説しています。
それでは小論文のコツをどうぞ。
公務員の経験者採用試験では、小論文は重要です。小論文の役割や書き方のポイント、実践的な対策方法を押さえて、合格に近づきましょう。
経験者採用試験における小論文の役割
経験者採用試験の小論文は、受験者の職務経験を基にした論理的思考力や文章表現力を評価するための試験です。この試験では、特に社会人としての経験を活かした考え方や、公務員としての適性が問われます。
実際、業務ではほぼ毎日文章を書きます。業務上の文章は慣れてきますが、採用側から見ると、採用時点で最低限の文章力が欲しいのは当然ですよね。そういう理由で、普段文章を書きなれている人、つまり事務職経験者が合格しやすい試験ではあります。
僕は当時、事務職の経験はありませんでした。それでも、しっかり対策さえすれば合格できます。
小論文の基礎知識
- 課題式論文
一般的な社会問題や行政課題についての意見を論述します。与えられたテーマから選択して執筆し、大抵1,200字~2,000字程度です。
専門職採用の場合、専門分野に関する知識の確認にも使用されます。 - 職務経験論文
自身の職務経験を踏まえ、公務員としてどのように活かせるかを論述します。これらの論文試験は、受験者の思考力や表現力、そして公務員としての適性を評価するために実施されます。
小論文で評価されるポイント
小論文では、以下の点が評価されます。
- 論理的な構成
文章が明確な起承転結を持ち、筋道が通っているかどうかが重視されます。 - 課題への理解
テーマに沿った具体的な考察が求められます。一般論に終始せず、自分の経験や意見を交えて事例を挙げるなど具体的に書くことがポイントです。 - 公務員としての視点
公務員としての視点から、どのように課題解決に取り組むのかを示すことが大切です。 - 正確な日本語
文法ミスや誤字脱字は減点対象です。適切な語彙を使い、読みやすく簡潔な表現を心掛けましょう。
小論文の書き方の基本構成
小論文は、以下の構成を意識して書くと効果的です。
- 序論
テーマの背景や現状を簡潔に説明します。ここで問題提起を行い、本文への導入をスムーズに進めます。どういう立場に立って論じるのかを明確にしましょう。 - 本論
自分の意見や具体例を述べ、論理的に展開します。公務員としての視点や、具体的な社会人経験を交えた説得力のある主張を心掛けましょう。
↑会場試験の場合は、あなたがテーマに対して理解が深い場合を除き、経験を踏まえて書くことが良いでしょう。問いの中で「あなたの経験から~」などと書かれていなくても構いません。理論破綻せず、必要な文字数をしっかり書くには経験を基に書くことが無難です。
(僕は「聞いたことのある単語」レベルのテーマでも、どうにか内定をいただきました)
なお、職務経験論文(「あなたの経験を公務員としてどう活かすか」という問い)の場合は、あなたの経験がどのように公務員としての業務に役立つかを論じます。具体的な事例や成果を挙げることが重要です。 - 結論
本文で述べた内容を簡潔にまとめ、主張がぶれることのないよう注意し解決策などを書きます。
また、職務経験論文では、本論で述べた内容を要約し、今後どのように貢献していくかについての決意表明・自身の意気込みを示します。
小論文のテーマ分析と対策
小論文で出題されるテーマは自治体や省庁によって異なりますが、自治体の課題や社会問題、経験論文が中心となるため、受験先の特性を理解した上で対策を進める必要があります。
試験会場で小論文を書く場合の対策
「会場で問題を見て初めて考える」では遅すぎます。事前にいかに準備をしたかで差がつきます。
【必須】基本的な準備
- 過去問を確認する
傾向を確認しましょう。中には毎年同じ課題を出しているところもありますし、雰囲気が分かるだけで練習が格段にしやすくなります。自分自身の経験と照らし合わせながら、どのような内容を書けば良いかを具体的にイメージすることができます。 - 自分の経歴をまとめる
あなたの経験をまとめましょう。職務経験論文(経験を公務員としてどう役立てられるか)以外にも、「○○(課題)の対策を経験を踏まえて書いてください」という課題もよく出されます。また、出されたテーマに対する知識が浅い時も、経験を基に書くことで論文の必要文字数を埋めることができます。 - 公務員としての責務や役割についてまとめる
上記の経歴と併せて、過去の職務経験を元に公務員としての姿勢、経験を公務員としてどのように活かすことができるかを具体的に述べると評価が高まります。公務員の使命感や倫理観からズレないように注意しましょう。
テーマになりそうなニュースを調べる
受験者が自身の経験を通じてどのように組織の問題解決に寄与できるかを問う内容がよく見られます。
出題されるテーマには次のようなものがあります。
- 自治体や組織が抱える課題とその解決策
「地域振興」「人口減少」「高齢化社会」への対応など「地域課題への貢献」テーマが頻出です。具体的な取り組み事例を調べ、自分の意見や経験と関連付けて考えましょう。 - 多様化する社会と行政の対応
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「SDGsへの取り組み」「ワーク・ライフ・バランスの実現」「人材の多様性」など、現代的な課題を考察する力が求められます。事前に自治体や省庁の取り組みをリサーチすることが大切です。
しっかり調べることは面接対策にも有効です。面接について詳しくは、以下の記事で解説しています。
テーマが事前に示されている場合(事前提出など)の対策
まずは、テーマに対する基本的な情報と自治体や省庁の取り組みを調べましょう。それに対し、自分の意見と経験を関連付けて書いていきます。
小論文の練習方法
小論文は事前の練習が合否を左右します。以下の方法で練習を進めましょう。
- 過去問を活用する
受験先の自治体や省庁が過去に出題した小論文のテーマを調べ、同様のテーマで書いてみましょう。 - 時事問題を取り入れる
公務員試験では社会問題や行政課題について問われることが多いため、新聞やニュースで取り上げられる社会問題について、自分の意見をまとめる練習をしましょう。自分なりの意見や考えを持っておくことが重要です。 - 他者の添削を受ける
自分では気付きにくいミスや弱点を改善するため、第三者からのフィードバックを受けることも有効です。自分が書いた論文を信頼できる人に読んでもらい、アドバイスを受けることで、自分では気づかない改善点を見つけることができます。
注意事前提出では、他者に添削依頼をすることを禁じている場合もあります。応募要項に従いましょう。 - 実際に手書きしてみる
ついつい、パソコンなどで入力するだけで終わってしまう気持ちは分かりますが、試験会場に持参する予定のペン(たいていはシャープペンシル・鉛筆が指定されていると思います)を使用して手を動かして書いてみることをお勧めします。
僕は、普段ペンで文字を書くことがほぼ無かったので「漢字が書けない」問題にぶち当たり、手書きしておいてよかったなと思いました。
試験当日に注意すべきこと
- 構成を考える
序論・本論・結論のバランスを保つために、書き始める前に構成を考えましょう。
試験がスタートすると同時に回答用紙を埋めたくなる気持ちは分かりますが、どの視点で書くのか、自分のどの経験をどのように結びつけるのか、など校正案を問題用紙の脇などにメモをしてから小論文に取り掛かると、意外とスルスル書けます。 - 字数を守る
指示された字数内で内容をまとめることが必須です。長すぎたり短すぎたりしないように注意してください。 - 時間を守る
当たり前ですが、時間制限があります。時間に間に合わず、必要文字数を埋めることができなかった~ということのないようにしっかり配分を考えましょう。 - 冷静に書く
焦りは禁物です。冷静にテーマを分析し、落ち着いて書き進めましょう。
経験者採用試験の小論文を成功に導くために
事前準備をしっかり行い、受験先に適した内容で構成することで、高評価を目指しましょう。特に、事前提出課題の場合は、論理的思考や社会人としての経験をアピールする絶好の機会です。冷静な対策と練習を積み重ね、自信を持って試験に挑んでください!
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