生き別れた兄弟や親を探すことは、過去や家族とのつながりを取り戻すための重要な行動で、心の安らぎや自己発見の旅としても大切な意味を持つこともあります。
また、法的に必要な場合もあります。
この記事では、具体的な方法、注意点、そして再会の意義について詳しく解説します。
家族を探す理由
家族を探す理由は人それぞれですが、僕は役所にいたころ、
「戦争で生き別れた兄弟の葬式に参列したが、早く会っていればよかった」
という高齢者の方に出会いました。
また最近は、両親の離婚等で親や兄弟姉妹と音信不通、大人になった今、会いたいという人も珍しくありません。
その多くは過去の未解決な気持ちを整理し、家族とのつながりを再び築きたいという願いにあります。再会は、心の中にある疑問や不安を解消し、安心感や幸福感をもたらします。
例えば、幼い頃に別れた兄弟が別の町で幸せに暮らしていることを知るだけでも、安心感や喜びが得られます。家族探しは単なる行方探しではなく、自分自身を見つめ直す機会にもなるのです。
相続における法的側面
親族を探すことは、感傷的な側面だけではありません。
両親や兄弟を探すことは、将来の相続のためにも有効です。
相続が発生してから、つまり誰かが亡くなってからではなく、元気なうちに再会することで関係を再構築する機会になるかもしれません。
家族を探す具体的な方法
戸籍を調べる
戸籍は、家族探しの出発点として非常に有効です。戸籍謄本や戸籍附票を取得することで、家族の居場所や過去の住所履歴を把握できる可能性があります。
兄弟姉妹の戸籍の注意点
兄弟姉妹が婚姻している場合など、兄弟姉妹が自分や親の戸籍に記載されていない場合は、別の戸籍に記載されているため、請求には特別な理由が必要になることがあります。相続手続き※などの法的な手続きに必要な場合は交付されますが、単純に「会いたい」などの理由では交付されない可能性が高いです。
その場合は、兄弟姉妹がかつて住んでいた住所を手がかりにして、新しい情報を探してみましょう。
※相続分割協議を円滑に進めるために不可欠であるため
- 戸籍謄本の取得
市区町村の役所で戸籍謄本を取得することができます。また、マイナンバーカードを使用すればコンビニでも取得可能です。戸籍謄本には、家族構成や本籍地が記載されています。 - 戸籍附票の活用
戸籍附票には、住所の履歴が記載されています。これを基に近隣住民への聞き込みや地元の情報収集を行うことで、新たな手がかりを得られることがあります。ただし、取得には家族関係を証明する書類が必要です。
インターネットを活用する
インターネットは、広範囲の情報を効率的に収集することができます。
FacebookやTwitterを使って、情報を発信し、家族を探した例はありますが、個人的にはおすすめしません。危険性が高いと考えます。
個人情報を公開する際には、詐欺や悪用に注意し、信頼できる相手にのみ情報を共有するようにしましょう。人探し専用サイトに情報を登録する際も、偽の詐欺業者から連絡が来る可能性を考え注意しましょう。
親戚や知人への聞き込み
親戚や昔の知人は、家族に関する貴重な情報を持っている可能性があります。特に年配の方々は、昔の出来事や家族の関係について詳しく知っていることがあります。
- 昔の写真や手紙を見せながら話をすることで、記憶を引き出す手助けになります。
- 話を聞く際には、相手の時間や気持ちに配慮し、丁寧にお願いすることが大切です。
探偵に依頼する
僕は、探偵という職業の方に出会ったことがありませんが（コナン君くらいしか知らない）、自力での調査が難しい場合、探偵に依頼するのも一つの方法かもしれません。
- 専門知識の活用
特に長期間行方不明になっている場合に有効です。 - 費用の確認
探偵に依頼する際には、費用が発生するため事前に見積もりを確認し、信頼できる業者を選びましょう。
相続など法的根拠がある場合は、探偵ではなく自治体の戸籍の窓口に相談しましょう。
戸籍の窓口で、親族を探していることを伝えると、必要な戸籍の取得手続きについて教えてくれるはずです。
なお、自分で戸籍を取得して探すのが難しい、または時間が無い場合は、行政書士や司法書士に依頼することも出来ます。
公的機関の利用
行方不明の場合、事件性や緊急性・危険があれば警察、その他の場合は市区町村役所や福祉事務所に相談してみましょう。
再会するときの注意点
再会が実現した場合、相手の気持ちを大切にすることが重要です。
- 相手の気持ちを尊重する
長い間会っていなかった場合、突然の再会は驚きや不安を与えることがあります。相手のペースに合わせて話を進めましょう。 - 安心できる場所で会う
公共の場で会うことで、お互いにリラックスした雰囲気で話をすることができます。カフェや公園などがおすすめです。
再会の際には、「元気にしていた？」や「昔のことを少し話してもいいかな？」といった質問から会話を始めると、自然に話を進められます。
再会の意義
生き別れた家族との再会は、個人の精神的な安定や家族の絆を再構築するために大変重要です。
- 心の安定
自分のルーツを知ることで、心の整理がつきます。家族と共有する思い出や過去の出来事を通じて、新たな視点を得ることができます。 - 家族の絆を深める
再会を通じて信頼関係が築かれ、新たな生活の支えとなるネットワークが形成されることもあります。
まとめ
親族を探すことは決して簡単なことではありません。時間や手間がかかるだけでなく、感情的にも大きな負担となる場合があります。
しかし、一歩ずつ進めていくことで、再会の可能性を高めることができます。探している過程では、新しい情報や出会いを通じて自分自身のルーツや家族の絆を再発見できることも多いです。
どんな結果になったとしても、その過程で得られる経験や感情は、あなたにとって大切なものになるはずです。
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